学校の授業は科目という名の“ソフトのインストールの場”であり、OSのアップデートはしません。近年、学習指導要領の改訂により、「思考力」がクローズアップされていますが、果たしてOSという概念を持った指導がされているのか怪しいのではないかと思っています。ですから、理解できない子に対して、その子の「やる気の問題」にしてしまうこともあります。なぜ、やる気が出ないのか、そこが重要な論点です。
さて、話を戻します。
このような実態になっているとしたら、OSをアップデートさせてしまえばいいわけです。つまり、「OS=考える力」のアップグレードです。しかし、ここでまた疑問が発生します。それは、「考える」とは一体何を指すのかという疑問です。
「皆で考えてみよう!」「しっかり考えるように!」と言われたときの、「考える」とはどういうことを言うのでしょうか。「考えるとは何か?」と聞かれて答えることは意外と難しいものです。
実は今まで、「考えている」と思っていたけども、それは単に「悩んでいるだけ」だったかもしれないのです。
もし「考えるとは何か」がわかれば、子どもたちのOSのアップデートができるはずです。
「考えることができる子」の特徴
考えるとはどういうことかを知るために、次の英語の問題の例をご覧ください。英語の現在完了形を勉強している場面で、次のような問いがあったとします。
(1)I have been to USA 50 times.
(2)・・・・・・・・・
通常は、(1)私はアメリカ合衆国に50回行ったことがある。と訳して、次の(2)に向かうことでしょう。
しかし、考える子は、ここで次のように思います。
「一体、この人はなぜ50回もアメリカに行ったんだろう?」
すべての問題をこのように思考しているわけではありませんが、学びの場でこのように思考を巡らしている子がいます。これが「考えることができる子」の特徴です。すると印象にも残るため記憶が促進されるわけです。
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