同じ学校、同じ塾、同じ教材、同じ先生、同じ勉強時間でなぜ差がつくのか?
この問いに対する回答は、「考えているか否かの差」にあるということです。
では、考える力(頭脳のOS)のアップデートをするために、どうすればよいか具体的な方法論についてお話しします。
筆者はこれまでの4000人以上の子どもたちを指導してきた経験から、次の方法が有効的であったと考えています。
それはある問いかけをしていく方法です。問いかけの言葉は全部で10種類ありますが、ここでは代表的な言葉を今回の記事で1つ、次回の記事でもう1つ紹介します。
頭脳のOSをアップデートする問いかけ その1
学校教育では、一般的に「何?」「どこ?」「誰?」「いつ?」「(選択肢問題で)どれ?」が問われます。これは知識の確認のための質問です。ですからインプットされていれば誰でも答えられますが、頭に入っていないと答えられません。このような状態のときは「考えている」とは言いません。考える頭脳にしていくためには、次の問いかけが必要になります。
「なぜ?」
例えば、「あなたの家の住所は何ですか?」と問われると答えられますね。これは「知識」です。頭に住所が入っているから答えられます。しかし、次のように質問されたらどうでしょうか。
「なぜ、その家に住もうと思ったのですか?」
こう問われたときに、「え、なぜだろう?」と“考えます”。まさに、このとき、「考える」状態となっているのです。人は、何を問われるかによって、頭脳の働き方が変わります。「何、どこ、誰、いつ、どっち」といった問いも情報としては重要ですが、考えることにはつながらないのです。
私たちの多くは、子どもの頃、実は「疑問に持つ」ことを頻繁にやっていました。子どもたちは、さまざまなことに興味関心を示します。そのたびに、「ママ、なんでこうなっているの?」と聞いてきます。はじめは親も、「これはね、○○だからなのよ〜」と優しく丁寧に教えていたのが、何度も聞かれるうちに「これは、こうなってんの!!」と答えてしまったり、そのうち返答することすら面倒になってしまったりします。そうなると、子どもは聞いてもしょうがないということで、割り切り、疑問を持つことをやめていきます。
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