人を感動させるスピーチには黄金法則がある

安倍首相も活用する「アーチ構造」の秘密

安倍晋三首相の戦後70年談話。これも、日本という国の挫折と再生のストーリーを心に響くように形作っていた(写真:AP/アフロ)

アメリカを席巻する「ストーリーテリング」の魅力を熱く語って、4回目になってしまった(前回までの記事はこちら)。それぐらい、パワーと効用は、語り尽くせないものがあるということなのだが、今回はいよいよ、グーグルのワークショップでも教えられているストーリーの作り方、組み立て方のコツをご紹介しよう。

ストーリーには人を動かす強い力があるが、かといって、どんな時にでも使っていいわけではない。かしこまったメールやシンプルな報告、情報伝達だけを求められている場面で、とうとうとストーリーを披瀝するのは相手をドン引きさせるだけ。冷静にデータや事実などをわかりやすく伝えたいという場面では、ロジカルスピーキングの中で触れたP-E-E (Point-Evidence-Explain、つまり、ポイント→論拠、理由→説明)というロジックの組み立てが適しているケースも多い。

ストーリーはビジネスにも活用できる

ストーリーは個人的な経験を社会と共有し、その知恵や教訓をわかち合ったり、エンターテインメントとして人を楽しませたりと、多様な目的と効用があるが、ストーリーをビジネスに活用する場合、どのようなシチュエーションが効果的だろうか。

たとえば、次のような場面で活用できる。

① カスタマーエクスペリエンスをストーリーとして語る。顧客の体験談を通して、自らの実績、商品やサービス、企業の差別化ポイントをアピールする。それをまた、顧客との絆作りに役立てる。
② 就活で、自分の強みや経験をストーリーにして語る。
③ 部下を鼓舞したり、説得するときに、たとえ話や自分の体験談を話す。
④ プレゼン等で自分の実績、経歴や経験をストーリーを交えて語る。
⑤ トップや幹部が組織全体の士気を上げたり、ビジョンを示したり、自分自身や企業のことを理解してもらうために、ストーリーとして語り掛ける。
次ページストーリーは人の心をつかむ
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