あの「葛西臨海公園」がオシャレに変貌した事情 公園再生事業で独走するゼットンの強み

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「外食企業が公園再生事業を手がけていると聞くと、園内でカフェを運営しているだけだと思われる人もいるかもしれません。しかし、当社では、Park-PFIという法制度を最大限に活用し、公園というパブリックスペースが街の価値向上につながるような提案を行っています」(鈴木社長)

そのキーとなるのが、歴史や風景といった公園ならではものだ。ゼットンではそれを探し出して、その魅力を体感できるようなサービスを提供している。上記の通り、海を臨む葛西臨海公園ではバーベキューやウェディングなどを展開した結果、家族連れやカップルの来園が増えただけでなく、街自体のイメージ向上にもつながり始めている。

利益率の高い備品レンタルに目を付けた

だが、鈴木社長自体はもともと公園の開発事業に関心をもっていたわけではなかった。2018年ごろ、次の成長に向けた戦略を練りながら、当時日本でも話題になり始めていた持続可能性(サステナビリティ)について自社のビジョンとも重なる部分があったため学びを深めていく中で、ビジネスとして成立する方法を模索していた中で葛西臨海公園からカフェ誘致のオファーがあった。

東京の東部での事業経験が浅かったことなどから断ることも考えたというが、実際に現場に足を運んでみたときに、同公園のポテンシャルを感じたのは冒頭の通りだ。カフェに加えて、バーベキュー場などのコンテンツを増やせばマネタイズができる、と考えた。

そこでまず、カフェを2軒作り、さらにバーベキュー場の運営をゼットンが請け負うようにした。過去に片瀬江ノ島で海の家をやった経験から、ビーチパラソルやビーチチェアといった備品のレンタルは需要が高いうえ、利益率も高いことがわかっていたため、葛西臨海公園でもバーベキュー場でレンタルを開始。「雨が降ればテント、人数が多ければいすが欲しいだろうな。そういうのを1つずつリストアップしていった」(鈴木社長)。

こうした事業はそれ自体が低炭素であるという点も、ゼットンが掲げていたサステナビリティというテーマにあてはまった。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事