前回の記事ー常にガラガラ「渋谷モディ」スタバだけ満員の理由ーでは、「渋谷のカフェが混みすぎている」という問題を取り上げながら、その理由を、都市の中で滞留できる空間が減ってきたことに求めた。渋谷の街としての歴史を追いながら、そこでどのような変化があったのか、そしてその結果として、カフェがなぜ混んでいるのかを考えた。
わかってきたのは、現代人にとって、カフェはある種の「せんだら」(「千円程度でだらだらいられる場所」)的な場所として機能していることだ。
そんなカフェの中でも、特に近年、にぎわいを見せているのが「公園併設型」のカフェだという。なぜそのカフェに人は集まるのか。なぜ、公園なのか。
あの南池袋公園が変わった
ちょっと個人的な話をさせてほしい。筆者は、生まれてこのかた、ずっと池袋の近くに住んでいて、池袋と共に成長してきた(死ぬときも、池袋と共に、と思っている)。筆者が幼少期だった2000年代前半は、まだまだ池袋の治安は悪かった。両親からは「この街は12時すぎると銃の音が聞こえるからね」とさらりと言い伝えられていたほどだ。
さすがにそれは冗談だろうと思いつつ、でも実際のところ、2000年代前半の池袋は石田衣良が『池袋ウエストゲートパーク』で書いていたりして、治安はよろしくなかったようである。
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