極めて特異な『神戸女性殺害事件』異常行動の背景にある谷本将志容疑者(35)の“歪んだ動機”

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神戸女性殺害事件 谷本将志
神戸女性殺害事件で、兵庫県警に殺人容疑で逮捕され、送検される谷本将志容疑者(写真:時事)

2025年8月、神戸市で発生した女性殺害事件は、一般的な殺人事件の典型像とは多くの点で異なる非常に特異な事件といえる。以下は、これまでに報道された内容から挙げられる、谷本将志容疑者(35)の特徴的な行動だ。

・容疑者は東京在住だが、事件前の3日間被害者の勤務先近隣のホテルに宿泊していた

・防犯カメラには退社直後から帰宅まで数十分間にわたり、被害者の後をつける容疑者の姿が記録されていた

・犯行後、容疑者は凶器を現場近くに遺棄し、徒歩で新神戸駅に向かい、新幹線で東京方面へ移動し、最終的に東京都奥多摩町で発見、確保された

・確保の際、容疑者は奥多摩駅から数キロ離れた場所を歩きながらスナック菓子を食べていた

・被害者とは面識がなかったと供述している

・3年前に同じ神戸市内で面識のない女性への殺人未遂事件を起こしていた

犯罪心理学の観点から考える動機と背景

さらに、事件前に利用したホテルが、3年前に容疑者が殺人未遂容疑で逮捕されたとされる事件現場の近くに位置していたことも報じられている。この事実は、偶発性よりも行動パターンの反復性を示唆している。

また、断片的ではあるが現時点での報道からは、生活困窮(約300万円の負債)、勤務先への前歴の虚偽申告、特異なパーソナリティなど、多数の要素が複合していることがわかる。これら現時点で報道などにより判明している情報を踏まえ、犯罪心理学の観点から動機と背景を検討する。

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