さらにもう一つの事例。
近年の公園建設においてはエポックメイキングともいわれる、渋谷の「MIYASHITA PARK」である。前回、渋谷において滞留できる場所がどんどん少なくなっているという話題を書いたが、渋谷を実際に歩いてみると、特にMIYASHITA PARKの最上階・公園部分には、中高生をはじめとした若年層が多く見受けられる。
彼らは、芝生やベンチに座って、特になにをするわけでもなく、そこでだらりと過ごしている。
特に中高生たちの座り方を見ていると面白い。本来、建築的な用途では座る場所ではないところに座ったり、寝そべっていたりする。
MIYASHITA PARKにはいくつかのアート作品も展示しており、そのアート作品のところを器用に使って過ごしている人もいた。
そんな彼らの手元によくあるのが、スタバのカップ。ここに入るためのパスポートなのか?と思うぐらいだ。パスポートを手に入れるのは簡単。公園の中央にスターバックスがあるからだ。さすが、スタバはめざとく、このMIYASHITA PARKにもさらりと入り込んできたわけだ。
面白いのは、やはり南池袋公園と同じような相互作用が起こっていること。
スタバは、若い世代にとっての誘引力になる。スタバを目指して公園に行く人もおおいだろう。そこでスタバを買って、公園で過ごす。逆に公園を目当てに来た人にとっても、ちょっと喉が渇いたらスタバに行ってフラペチーノを飲めばいい。そうして、MIYASHITA PARKには人が集まる。人が集まると、なんだかそこは賑わっているように感じて、さらに人が集まってくる。こうした好循環を生み出すことに成功しているわけだ。
カフェの進出を後押ししたP-PFI事業
南池袋公園、MIYASHITA PARKの例からわかるのは、カフェが「公園」を活性化させる一つの起爆剤のようになっている、ということ。もともと、南池袋公園にしてもMIYASHITA PARKにしても、そこはうっそうと木々がはえ、人通りが少ない公園だった。しかし、そこが再開発され、カフェが生まれることで、ある種、好循環を生み出す起爆剤のようになったと言える。
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