
前回は、ハワード・シュルツがスターバックスに入社し、同社をグローバルチェーンに拡大していく過程を追った。
そこで指摘したのは、シュルツが意識した「顧客に合わせたビジネスを作っていく」という考え方の重要性だ。そうした考え方が、本格的なコーヒー店を目指したにもかかわらず、コーヒーとはかけ離れたフラペチーノなどの商品を生み出すことにつながった。そして、それはスタバに見られる「矛盾」をもたらした。
今回は、スタバが重要なコンセプトとして掲げる「サードプレイス」という概念について考えてみたい。この作業を通して、スタバの矛盾、そしてスタバと顧客の関係性がさらに明確になるだろう。
スタバの「サードプレイス」とはなにか
シュルツがスタバの陣頭指揮を執って以降、スタバはその場所がすべての利用者にとって「サードプレイス」になるように努めてきた。そのことは、シュルツの自伝『スターバックス成功物語』でも繰り返し述べられている。

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