
本連載の第4回で私は、スタバが持つ「矛盾」が、その空間を特別なものにし、そこに集う人々に特有の「同一性」をもたらすことを指摘した。
(関連記事:「スタバ=Macポチポチ」"偏見"が物語る強さの本質)
スタバの空間に入ることは、すなわち、ある共同体に入ることであり、スタバを利用する人々の中にはある種の連帯感が生まれているのではないか。こうした感覚は、スタバを利用する人であれ、利用しない人であれ、多くの人が持っている感覚だと思う。
スタバの「矛盾」は新しい共同体を作り出している。
こんな突飛な話から、最終回となる今回は、世界をスタバが覆っている現代について、時代の状況なども踏まえてそれをどのように捉えられるのかを考えてみよう。
スタバがグローバルチェーンになった時代はどのような時代だったか
スタバがその店舗を大きく広げ、全世界的なチェーンになったのは1990年代のことだ。初めての海外出店は日本で、1996年、銀座にスタバの日本1号店が誕生した。

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