あの「葛西臨海公園」がオシャレに変貌した事情 公園再生事業で独走するゼットンの強み

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それを通して、コンセプトをつくり、デザインで色付けしたうえで、顧客に価値が伝わるようなオペレーションを構築していくノウハウを培ってきた。それが街に新たな魅力を加える場づくりに生かされ、公園の価値創造に役立っている。そうした結果、多くの公園からも引き合いがくるようになっている。

「以前まで、公園は不特定多数の人が利用する場として無味無臭であるべきでしたが、Park-PFIの創設によりその考えが変わりました。当社ではPark-PFIは公園の色を決めるプロジェクトだと思っています」と鈴木社長は話す。

「そもそも価値を感じてもらえないと、来園した人たちは公園でお金を使おうとしないでしょう。だからこそ、その作業は同時に、どんな人が公園に来てほしいかを決めることになります。そのアプローチはレストラン作りと変わりません」

鈴木社長(撮影:尾形文繁)

ハワイのカフェを逆輸入して海浜公園をテコ入れ

目下進んでいるのは、神奈川県藤沢市の鵠沼海岸での再開発事業だ。海に面しているという立地を生かした新たな海浜公園を作ろうと、同社がハワイのホノルルで展開するカフェ「GOOFY Cafe & Dine」を逆輸入する予定だ。

鵠沼海岸の店舗では海という宝はもちろん、富士山を望めるロケーションも生かして、その魅力を堪能できるテラス席などを設けていく。付近に多くいるサーファーだけでなく、浜に遊びに来た家族連れや近隣の人が豊かな時間を過ごせるような場所にしていく計画だ。

公園を軸とした新たなビジネスモデルは世界でもめずらしいとあってか、大手コンサルティング企業やアメリカのビジネススクールからもケーススタディにしたいとの要望が相次いでいるという。公園再生事業を軸に、同社の事業がこれまで以上にシナジーを発揮し、新しい価値を作り出す。その先に次世代の外食企業の在り方があるのは間違いないだろう。

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三輪 大輔 フードジャーナリスト

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みわだいすけ / Daisuke Miwa

1982年生まれ、福岡県出身。法政大学卒業後、医療関係の出版社などを経て2014年に独立。外食を中心に取材活動を行い、2019年7月からは「月刊飲食店経営」の副編集長を務める。「ガイアの夜明け」に出演するなどフードジャーナリストとしての活動の幅を広げ、これまでインタビューした経営者の数は 500 名以上、外食だけでも200名近くに及ぶ。

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