「本当は皆ウンザリ?」≪パーパス経営≫が従業員の心に響かない残念な理由

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(写真:Fast&Slow/PIXTA)

「うちの社長はパーパス経営がメディアで賞賛されて上機嫌です。でも社員は皆ウンザリしています。パーパスって、いったい何なんでしょうかね」

これは、大手食品メーカーの従業員の言葉です。自社のそもそもの目的・存在意義(パーパス)を問い直すパーパス経営が流行しています。今回は、パーパス経営の実態と問題点、さらに改善策を考えてみましょう。

流行のパーパス経営だが…

パーパス経営という言葉が広まったのは、2018年からのことです。世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、投資先企業に宛てた年次書簡で「A Sense of Purpose(目的意識)」を提唱し、企業の長期的な発展には社会貢献やステークホルダーへの価値提供が不可欠だと訴えました。

日本でも、ここ数年、大手企業を中心にパーパス経営の取り組みが急速に広がっています。コンサルタントの支援を受けて社会・環境を意識した新たなパーパス(や経営理念・ビジョン)を制定するというのが、ちょっとしたブームになっています。

ビジネス誌などメディアでは、パーパス経営の成功事例が喧伝されています。一方、冒頭のコメントのようにパーパス経営を疑問視する声や以下のように批判する声も数多く耳にするようになりました。

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