あの「葛西臨海公園」がオシャレに変貌した事情 公園再生事業で独走するゼットンの強み

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
葛西臨海公園のバーベキュー場「ソラミド バーベキュー」(写真:ゼットン提供)

これまでの外食企業の成長は、基本的に新規店舗の出店ありきだった。しかし、人口が減少し、人々の嗜好が多様化している中、際限なく店舗数を増やしていく手法に限界があるのも事実だ。

こうした中で、公園というこれまで比較的手つかずだった場所に付加価値を付けるという新たなビジネスで実績を上げ始めているのが、「アロハテーブル」などのカフェを手がけるゼットンである。未踏の領域で成功している秘訣はどこにあるのか。

この記事の画像を見る(8枚)

カフェに加え、バーベキュー、ウェディングも

緑の芝生と、その先に広がる東京湾の青い海ーー。そのコントラストを見た瞬間、心をつかまれるのと同時に、来園する人を喜ばすアイデアが次々と沸いてきた。

依頼があったカフェだけでなく、無料休憩所やバーベキュー場、芝生エリアまで手がけることができたら公園のイメージを刷新し、街に新しい価値を加えることができるのではないだろうか。ゼットンの鈴木伸典社長はそう考え、東京都に逆提案を行ったうえで、葛西臨海公園の再開発事業を引き受ける決断を下す。それが飲食店運営を主とする従来のビジネスモデルからの脱却の瞬間でもあった。

現在は「公園再生事業」と位置付けられ、同社のアイデンティティになるほどの大きな存在感を放つ。葛西臨海公園ではカフェに加えて、バーベキュー場や結婚式のサービスも提供している。こうした事業の収益は年々増えており、鈴木社長によると、2024年1月期第2四半期の売上高と利益は、前年同期比で1.5倍近くに成長した。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事