東洋経済新報社が毎年7月に全上場企業を対象に行っている『役員四季報』調査によると、全上場企業3595社の役員のうち、女性役員は585名と前年より31名増加した。全役員4万0493名中に女性役員が占める割合も、前年比で0.1ポイント上昇し1.4%となった。
女性役員がいる企業も徐々に増加している。昨年8月からの1年間で見ると、トヨタ自動車、野村ホールディングス、北海道電力など主要企業でも女性役員が新たに登用された結果、494社と前年に比べて19社増加した。
ただ、女性役員数が増加したとはいえ、社外取締役での登用が多いのが実態だ。たとえば、女性の社内役員がいる企業は271社で前年と同数にとどまる。また、女性の社内役員は前年比5名増の308名だが、女性役員合計に占める社内役員の割合は2ポイント減の52.6%と減少した。全役員に占める社内役員の割合70.8%と比べると低い水準だ。
欧州連合(EU)では、2015年までに上場企業における役員の女性比率を一定以上(3~4割)に義務づける法案を検討している(10年時点は12%)。日本でも内閣府により「20年までに各政党、公務員、企業などで、指導的地位に就く女性の割合を30%にする」という目標が掲げられ、各機関に要請が行われているが、将来的には一歩進んだ対策が必要となってくるかもしれない。
(『役員四季報2012年版』編集部 山本亜由子 =週刊東洋経済2011年9月17日号)
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