生活保護を受ける世帯が増え続けている。厚生労働省「社会福祉行政業務報告」によると、2007年度の1カ月平均の被保護世帯数は前年より2万9455世帯(2.7%)多い110万5275世帯。1992年以降、15年連続の増加である。生活保護を受けている実人員は154万人に達し、保護率(人口1000人当たりの被保護実人員、07年度は12.1)の上昇にも歯止めがかからない。
世帯類型別で最も多いのは45.0%を占める高齢者世帯(男65歳以上、女60歳以上の人を中心に構成される世帯)で、2002年度の40.3万人から07年度の49.8万世帯へと9.5万世帯増加。このほか、障害者・傷病者世帯、母子世帯も同期間の増加率がそれぞれ26%・24%増と、増勢が著しい。
07年9月中に保護が開始された世帯についてその理由をみると、「働きによる収入の減少」「貯金等の減少・喪失」「社会保障給付金・仕送りの減少・喪失」を合わせるとほぼ4割になり、この割合は近年大きく変動していない。一方、同月中に保護廃止となった理由では、経済状況の改善とみなせる「働きによる収入の増加」「社会保障給付金、仕送りの増加」は合わせて2割足らず。05年以降「疾病治癒」に代わって最多となった「死亡」は29.7%を占め、しかも年々その割合を増している。15.0%が「失そう」というのも重い現実である。
(『東洋経済 統計月報』編集部)
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