国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに実施している「人口移動調査」からは、居住地の移動に関する経験や事情を知ることができる。
2006年7月時点で実施された第6回調査によると、世帯主・配偶者のうち、現在住んでいる都道府県以外での居住経験(3カ月以上)がある人は6割。住んだことのある都道府県の数(外国も1カ所と換算)では「3以上」が28%を占め、平均では2.09。この値は、性別や現住地などで異なり、女性(1.94)より男性(2.24)、東京圏(2.35)でそれぞれ大きい。1つの都道府県にしか住んだことのない(現在住んでいる都道府県以外での居住経験がない)人が、もはや少数派となっていることは明らかだ。
居住経験のある地域を見ると、67.2%の人が3大都市圏に住んだことがあり、その割合は30代後半や40代前半では7割を超える。なかでも他地域からの人口流入が続く東京圏(1都3県)の居住経験者はほぼ4割に達し、分布が全国的な広がりを見せている点でも3大都市圏において突出している。その一方で、大都市圏では出生地と現住地が一致する人の割合が高い(東京圏の場合89.1%)。つまり、移動の範囲が大都市圏内にとどまるケースが多いということである。
地方圏で暮らす人、地方での生活経験を持つ人のウエートは年々低下していることがこのデータからもわかる。
(『東洋経済 統計月報』編集部)
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