一緒に作って一緒に食べる!「まち食」の挑戦

「寂しい食卓」への疑問から出発

「okatte(おかって)にしおぎ」のキッチン。有料メンバーになると、このキッチンやリビングを使うことができる。仕事帰りにふらっと寄り、夕食を作ったり小商いをしたり。イベントを開くことも可能だ
「まち食」という概念が生まれているのをご存じだろうか。商店街で買ってきたものを持ち寄って食べたり、材料を買ってきてみんなで一緒に作ったり……。そこに集まるのは家族や親しい友人だけではない。パブリックすぎず、プライベートにも閉じすぎていない空間(=パブリックコモンスペース)に、まちの人が“食”を介して集まり、ゆるやかにつながっていく。「まち食」は新しいコミュニケーションスタイルとして、今注目されている。

 

2015年4月にオープンした「okatteにしおぎ」も、そうした“食”を中心とするパブリックコモンスペースだ。建物に一歩入ると、明るく開放的なキッチンと土間スペースが広がる。左手には無垢材フローリングのリビングスペースが、奥には赤ちゃん連れにもうれしい畳スペースがある。各スペースは、用途に応じて建具で仕切れるようになっている。

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このスペースを利用できるokatteメンバーは現在50名ほど。月曜日から木曜日の夜に設けられた「okatteアワー」(予約がなければ週末も)には、メンバーが自由に集まって、一緒に食事を作ったり食べたりしている。そのほか、イベントや教室としてスペースを利用することも可能だ。

料理教室をはじめとして、過去には食にまつわる映画の上映会イベントや、ヨガ教室とおにぎりのワークショップが開催されるなど、使われ方はさまざま。また、キッチンは飲食店の営業許可を取得済みなので、小商いの場として「1日カフェ」や菓子販売などに利用することもできる。

息子と2人で食べる食事に抱いた閉塞感

この「okatteにしおぎ」を企画・運営しているのがN9.5(エヌキューテンゴ)代表取締役の齊藤志野歩さんだ。「まち食」の名付け親でもある。大学卒業後、不動産投資会社に11年ほど勤務し、不動産ファンド運営、住宅や商業施設の開発を担当。その間に結婚・出産。子どもが生後8カ月になった2009年4月に職場復帰を果たした。

ご主人は地方出張が多いため、平日はほぼ頼れなかったというが、出産前は終電近くまで働く日々を過ごしていた齊藤さんからすると、18時に会社を出られるのは手持ち無沙汰にも近いものがあったという。

その頃、保育園から帰って息子と2人で食事をすることに、なんとも言えない寂しさを感じていたという。

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