YouTubeが可能にした主婦クリエイターの道 英語の料理動画で人気のユーチューバー

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流暢な英語でお菓子や料理を作っていくochikeronさん。手先が器用な彼女の作品は、外国人からみると“クールジャパン”そのものではないだろうか

YouTubeで自作の動画を次々に公開し、たくさんのファンを獲得している「YouTuber(ユーチューバー)」が注目を集めている。「ochikeron(オチケロン)」というハンドルネームで料理やお菓子の作り方を英語の動画で紹介する(例:リラックマオムライスの作り方)西村亜美さんも、世界中にファンをもつ人気ユーチューバーのひとりだ。その活躍は YouTubeを運営するGoogleに認められ、昨年のYouTube公式キャンペーン「好きなことで、生きていく」にも登場した。

2011年以来、毎週火曜日と金曜日に料理動画を公開し続け、その数は400本近くに上る。1本制作するのに3日かかるそうだが、昨年第1子を出産してからもペースを緩めることなく続けているというから驚きだ。いったいその情熱はどこから生まれているのだろうか。

最近は、自分のスキルを生かして教室を開くなど、自宅で開業する主婦「サロネーゼ」が増えている。トップクラスのユーチューバーは、動画再生によって得られる広告収入や企業とのタイアップ企画などで生計を立てるまでになっているというから、西村さんもYouTubeを使った「サロネーゼ」を目指したのか? そう思って話を聞いたところ、彼女はきっぱりと、「収入のためにやっているのではない。あくまで趣味」と言い切った。

動画制作に集中する時間を最優先

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YouTubeからの広告収入があると言っても、それで生活していくには、作った動画が月に何十万回と視聴される必要がある。ビジネスとして成功しているといえるのは、企業からプロモーション動画の制作依頼を受けたり本を出版したりと、動画に紐付く広告以外の収入源が得られている人たちだろう。

西村さんの元にもレシピ本出版などの誘いがいくつかあるそうだが、「ほかのことに手を出した結果、作るものがブレたりクリエイティブな発想をする余裕がなくなってはいけないと思っています。家で動画作りをしているのがいちばん好きだから、その時間を最優先しています。今は子育て中で時間も限られているので、人と会うのもなるべく避けているくらいです」と笑う。

キャラ弁の制作やイベントで登壇してほしいといった依頼もある。なんでも断るというわけではなく、それが自分の活動にプラスになるものかどうかを見極めて慎重に選ぶ方針だ。それには、学生時代のマーケティングの勉強が生きているという。

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