日本のクリエイティブ「独特の強み」の正体 並外れた創造力で「キモノ」を脱ぎ捨てよう
こんにちは。まず、皆さんに質問をするところから始めさせてください。
最もクリエイティブな国はどこでしょうか。ここにはさまざまな国籍の方が集まっていますので、どこからいらしたかによるでしょう。
最近のアドビの調査による答えは、日本です。日本は「最もクリエイティブな国」として評価されています。都市レベルでも、東京はニューヨークをおさえて最もクリエイティブな都市とされています。また、皆さんは「モノクル」という雑誌を聞いたことがあるはずです。最近このモノクルは、「世界で最も住みやすい都市」として東京を選びました。
つまり、世界の3分の1が日本はクリエイティブだ、東京はクリエイティブだと言っています。ありがとうございます(笑)しかし実際、日本の人たちはそのように理解してはいません。日本はなぜか自分たちをとても低く評価します。私はこの傾向が2020年までに変わることを願っています。ご存じのように、2020年に東京オリンピックが開催されるわけですが、本当にそうなることを願っています。
新幹線の遅延は平均36秒
しかしとにかく、世界中のほとんどの人たちは、日本がクリエイティブであると認めています。ですが今日のテーマは「なぜか?」です。
なぜなのか、なぜ日本はこれほどクリエイティブなのか。そしてその背景に何があるのか。これが、今日私がお話したい内容です。この講演が終わる頃には、皆さんの日本と日本人に対する認識を少しだけ変えられたらと思います。
新幹線を見たことがあると思います。これは東海道新幹線、世界的に有名な日本の超特急列車で、年間12万本の発車回数を保持しています。想像してください、直感的に、列車1本につき平均延遅時間はどれくらいだと思いますか?――36秒です。
つまり、すべては「完璧さ」なのです。完璧こそが日本人と日本が持たれているイメージなのです。これは典型的なイメージの一つですが、ここでの問いは、果たして私たちはいつもそうなのか? ということです。私たちはすべてのことに毎回そのような完璧さを求めるでしょうか?答えはノーです。
これを見てください。これは完璧に見えますか?おそらくそうは見えませんね。約500年前、千の利休という茶道のアートディレクターは、このような茶碗を広めました。これらは、わざと不恰好で不完全な形にデザインされていたのです。
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