日本のクリエイティブ「独特の強み」の正体 並外れた創造力で「キモノ」を脱ぎ捨てよう

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そしてカラオケ、これも世界を一変させましたが、カラオケも日本人がインナーチャイルドを引き出す手段です。まさかと思うでしょうが、最近ひとりでカラオケに行く日本人がますます増えています。私は絶対やりませんが(笑)。

50歳以上の女性もこうやって自分のインナーチャイルドを解放しています。つまり私がここで言いたいのは、日本はまさに「インナーチャイルドの国」だということです。そして、インナーチャイルドを引き出すことは、ほとんど計画的なシステムのように機能しています。そういうものなのです。「インナーチャイルド」が二つ目のキーワードです。

カゴメが企画した「ウエアラブルトマト」キャンペーン

たとえば、これを見てください。明らかに、これはインナーチャイルド発想ですね。

カゴメが企画した「ウエアラブルトマト」キャンペーンは、トマトの機能的な効果を訴求するために、トマトを装着可能でウエアラブルなものにしました。とてもクリエイティブなインナーチャイルド発想です。そしてまた、インナーチャイルド的なアイデアは、優れた日本のクールテクノロジーによって強化されます。

ぴったりな事例が、ドコモの「3秒クッキング:爆速エビフライ」です。みなさんすでにご存じだと思うので、あえて映像は流しませんが、制作チームによれば、空飛ぶエビをコントロールするのはそうとう難しかったようです。空気抵抗でエビが四方八方に飛び散るんですね(笑)。丸一日かかったそうです。本当にお疲れ様でした。

インナーチャイルドとは?

それでは、クリエイティブな人々の語るインナーチャイルドについて聞いてみましょう。

■宮城豪、クリエイティブ・スケートボーダーのインタビュー
自分にはスケボーで「おもしろいことをしたい」という思いがありました。おもしろいことって予想外のところから生まれると思うんですよ。計算されてないところです。
自分の子どもの部分をさらけ出していって、子どもの気持ちになってスケボーをしていると、自然とおもしろいことが生まれてきます。
ただ子どもの心でおもしろいことが生み出されても、子どもの状態のままだったら形にならない。子どもの自分が生み出したものを大人の自分が少しずつ研ぎ澄まして、時間かけて形にしていくというその対話が重要です。

 

彼は「インナーチャイルドとの会話、対話」を語っています。自分の中の子供と大人の自分、いわばその二人の「共同制作」なんですね。それが誰も見たことのないものを生み出します。とても興味深い視点です。

次は日本の人気ユーチューバー、はじめしゃちょーです。彼は実にいろいろな奇抜なことをします。100万人のファンがいます。彼の話を聞いてみましょう。

■はじめしゃちょー、ユーチューバーのインタビュー
高校の時から、動画を撮るのが好きで部室で友達とズボンを脱がずにパンツを脱ぐ動画などもともと動画を撮るのは、遊び感覚でやっていました。
コーラにメントスを差すという、粉々にして、温めて、くっつけて棒状にして、それを2リットルのコーラに差すというのが、すごく再生回数が異常で、完全に桁違いに再生されています。
家庭が割と厳しい家庭で、「あれするな」「これするな」みたいな、子どものころ出来なったことを今、大人になって全部自分の責任で楽しくやっています。
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