日本のクリエイティブ「独特の強み」の正体

並外れた創造力で「キモノ」を脱ぎ捨てよう

ここでのポイントは、彼の語る創造のプロセスです。オリジナルをコピーし、インスパイアされ、オリジナルの真髄を理解し、そのうえで新しい何かを再構築する。新しいものを再発明するのです。とても興味深いプロセスですね。

最後に紹介したいのがNIGOさんです。彼は日本の有名なクリエイティブディレクターであり、ナイキ、アディダス、ファレル・ウィリアムスなど、沢山のブランドやアーティストとコラボしてきました。ではNIGOさんのお話を聞いてみましょう。

■NIGO、クリエイティブディレクターのインタビュー
要はミックスカルチャーなんです。だから、世界中の人が「なんか日本っぽいけど、自分の国っぽい」ものに手を出しやすい。「日本のクリエイティブはすごいいい」と言われるんですけど、国内でどうかというと、そんなに高い評価はもらえません。
これから、世界中のクリエイティブが影響し合っていくんじゃないかっていう気がします。ネットによって、世界中のものが洗練されて、ひとつのものができあがっていくのだと思います。

日本はクリエイティブで有利な立場

次世代クリエイティブを言い換えるならば、「継続的な再発明」といったところです。さて、今日の3つのキーワードをもう一度整理してみましょう。ひとつ目は、「Perfectly Rejecting Perfection (完璧を完璧に否定する)。PRPですね。これは神道に由来するものです。2つ目は「The Inner Child (インナーチャイルド・秘めた幼児性)」。体系化され規則に縛られた日本社会の奥底に、秘められた幼児性が存在するのです。そしてこの二つが組み合わさって、ダイナミックな「The Next Stage Creative(次世代クリエイティブ)」が生み出されます。これらが3つのキーワードです。

そして私が思うのは、日本は世界的にクリエイティブでは確実に有利な立場にあるということであり、それはこれらのキーワードがあるからです。繰り返しますが、この世界を見ると、コンテンツや情報で溢れかえっています。ソーシャルメディアの普及した環境ではコミュニケーションのコントロールが非常に難しく、コ・クリエーションの時代も始まっています。これこそが、日本のクリエイティビティが世界を変えていく理由なのです。

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