日中は何件もの営業先を回り、帰社すれば提案書や企画書の作成。夜まで残業は当たり前、ときには接待もこなし、つねに目標数字のプレッシャーを抱えながら走り続ける営業職。仕事自体はやりがいがあって楽しいものの、毎日のハードワークに「このまま働き続けられるのだろうか」と疑問を抱く女性は少なくない。
6月のある日、「営業女子のキャリアを考える朝会」が開催された。これは、ソーシャルゲーム大手のドリコム、人材会社のエン・ジャパン、クチコミサイトを運営するウエディングパークの3社が共同開催する「早朝からキャリアについて真剣に考える会」の第3弾(第1弾は28歳女子、第2弾はエンジニア女子を対象に開催した)。「朝会」なのは、多くの女性が連日の残業をこなしており、夜の参加が難しいためだ。
今回集まったのは、入社2~5年目の若手を中心に7社から24人。開会時刻の10分以上前から、ジャケットをピシっと着こなした女性たちが続々と集まり、意欲の高さがうかがわれた。
「ロールモデルがいない」が共通する悩み
進行役が会の趣旨を伝えると、6人ずつ4グループに分かれて自己紹介を行った。名前、勤務先、業務内容のほか、現在キャリアに関して悩んでいることも簡単に語ってもらう。
「社内に営業女性のロールモデルが少ないので、この先どうやってキャリアを築いていけばいいのかよくわからないのが悩みです」
「営業を続けている女性の先輩がいないので、自分がロールモデルにならなければいけないというプレッシャーを感じています」
「スーパーウーマンの先輩しかいないのですが、自分がそうなれるかわかりません」
多くの人が「悩み」に挙げたのは、ロールモデルがいないということだ。女性の先輩の多くは、3~5年経つと営業の第一線から離れていく。身近に先輩がいないので将来が見えず、「こんなハードワークをいつまで続ければいいのか不安です」という声を何人もが口にした。
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