世界で通用する「人間力」を
常見陽平(以下、常見):「優秀な営業とは?」というテーマについて考えてみたいと思います。三井物産の渡邉さんにお伺いします。優秀な営業像とはどのようなものでしょうか?
三井物産 渡邉大志(以下、渡邉):大きなくくりになってしまいますが、「人間力」がある人だと思います。私は今、三井物産で海外での鉄鋼製品事業の投資案件を担当しています。商社の営業では、単純なモノの売買だけではなく、時にプロジェクトのオーガナイザーとして、国内外問わず、複数の企業や金融機関、政府等、利害関係の異なるさまざまな方と交渉し、それをまとめながらプロジェクトを進めなければなりません。
会社の枠を越え、さらに育った国や文化も違う方を相手にするので、そういった人たちを巻き込むためには、ほかのどんな能力よりも「人間力」が必要ですね。もちろん私自身もまだまだ勉強中です。
常見:やはりそこに行き着くのですね。関連する話ですが……。私も20年近く前に、出張先で当時のリクルート関西支社の営業課長から言われた「東京は営業かもしれんけどな、関西は商売なんや」という言葉が忘れられません。
渡邉:それはどういう意味ですか?
常見:その課長によれば、東京では会社の知名度や商品力、提案力があれば、商品・サービスは売れます。しかし、関西では営業が愛されないと相手にされないということを教えられました。提案力や商品の魅力だけではなく、営業の人間性を含めて取り引きしたいかどうかを考えるそうですね。逆に、いくら商品・サービスや、提案内容がイマイチでも「お前がそんなにやるなら、ハンコ押したる!」という世界でもあるそうですが(笑)。
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