常見:それはぜひ東洋経済オンラインを読んでいる若手ビジネスパーソンに知ってほしいですね。お客様を知り抜くことが大事なんだと。私も当初は、営業を「売るだけの仕事」だと思っていましたが、同行していた先輩社員を見て、「お客様を知ろうとすることも仕事なのだ」と気づきました。しかし今の冨田さんのお話を聞くと、顧客の課題の数だけ営業の仕事はあると感じたのですが、ご自身はどこまでが営業の範囲であるべきか、何か考えはありますか?
冨田:当社はお客様中心の文化ですので、営業でできる範囲はすべて営業でカバーしていければと考えていますし、何かあったら必ず営業が出向くようにしています。だから売っても終わりじゃないんですよ。その時々の課題があって、お客様と共に成長することで新しいステージが見えてくるんじゃないかなと思います。
常見:あの時の上司の言葉が腹に落ちました。やはり富士ゼロックスの営業は顧客にとって頼りになる存在なわけですね。
仕事に大企業もベンチャーも関係ない
常見:みなさんは営業として順風満帆なキャリアを歩まれているように見えます。今までにキャリアで迷われたことはないのでしょうか?
野村證券 河野純(以下、河野):若い頃は自分の力だけで成果を出せているんだと思いがちでしたが、今、振り返るとそれは間違っていましたね。野村證券のブランドがあるから、付き合っていただいたんだと。振り返ってみて、そう思います。
常見:何十年も前から「これからはベンチャー企業の時代だ」という論調がありますが、野村證券のように長く続く会社だからこその知恵や工夫があるはずです。そこを含めてのブランド力は強いですよね。
河野:野村證券でしかできないこともあります。営業は社内にある資源を有効に活用すべきだと思います。
鈴木:今の常見さんと河野さんの話を聞いて、ちょっと言いたいことがあるんですけど、私はベンチャー企業で働くのも、別にいいと思うんですね。
常見:それはどうして?
鈴木:河野さんの言うように、野村證券さんだからできる、歴史のある大企業だからできる仕事はいっぱいあると思います。ただ20代のうちから新しいサービスを作ったり、ビジネスのスキームを作ってクライアントを増やしたりするような経験は大企業ではなかなかできません。若いうちから仕組み作りのセンスを磨けるのはベンチャー企業ならではの経験でしょうね。だから、どちらがいい悪いなんて考えはなくて、自分の進みたいキャリアと照らし合わせて選べばいい気がします。
常見:なるほど。渡邉さんは、国内外、大小問わずの企業と仕事をしてきたと思いますが、どう思いますか?
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