元トヨタ主婦が子育てNPOで目指すもの

トヨタ式はこう活かされる

学生時代から関心のあった町づくりと子育てというテーマを追う森さん。企業勤めをしながら子育てをしていたときにNPO設立を決意したのは、日本の社会が変わるのを待っていられなかったからだ。
 1998年3月に施行された特定非営利活動促進法(通称NPO法)が契機となり、多くのNPOが誕生している。なかでも最近目立つのは、子育て中の女性が立ち上げるNPOだ。出産・子育てという新たなライフステージを迎え、多くの女性が直面する悩みや不安を社会問題として提起し、NPOを活用しながら解決の糸口を見出していく――。そんな流れが確立されつつある。

NPO法人こまちぷらす代表の森祐美子さん(33)は、横浜市戸塚区で子育て応援プロジェクトを手掛け、コミュニティカフェ「こまちカフェ」を運営している。以前はトヨタ自動車に勤務していたワーキングマザーだった森さんが、なぜ、NPOを立ち上げ子育て支援を行うようになったか。

利益を出す現場の大変さを知る

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学生時代に地域づくり、まちづくりに興味を持ち、新潟の過疎地域を中心に公共文化施設の活用などの研究に取り組んだ森さんは、地域活性にかかわる仕事をしたいと思い続けていた。そして当時、トヨタ自動車がホールなどの公共文化施設の活用事例などの調査に取り組んでいたことを知り、就職先としてトヨタが浮上する。

希望通りトヨタに就職した森さんが最初に配属されたのは、中国マーケットを担当する営業部。“地域活性をやりたいのはいいが、おカネを生み出すために、現場が1円の利益を出すのにどれだけ大変な思いをしているかを経験したほうがいい”と先輩社員に言われたことで、仕事に対する意識が変わったと言う。

「配属前に先輩社員と話す機会があり、そう言われてなるほどと思いました。新入社員は全員、数カ月の工場研修を受けます。自動車メーカーの社員として実際に車を作る現場を見ることで、車1台を作り、売る大変さを肌で感じることができました。研修後は香港担当として、輸出・価格設定など車を販売する上で必要な交渉に携わり、物流改善プロジェクトも任され、やり甲斐のある日々を過ごしていました」と振り返る。

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