元トヨタ主婦が子育てNPOで目指すもの

トヨタ式はこう活かされる

子どもと接する時間を多く持てない生活を2年間続けるなかで、「今のこの瞬間をもっと大切に生きたい。そして、ライフステージに合わせた仕事のあり方を選べる社会を作りたい」という思いが募り、2012年1月末にトヨタ自動車を退職。翌月に「こまちぷらす」を設立した。

NPOで生かされるトヨタウェイ

森さんは、トヨタで学んだことがNPO運営に生きていると実感している。

限られたスペースの厨房だが、作業がしやすいようにカイゼン活動を重ねている

「基本的にNPOは人・モノ・カネ、すべてがゼロ、もしくはマイナスの状態からスタートします。おカネを獲得するには営業力は必須ですし、信頼関係の構築も重要です。それは香港での営業で学びました」

こまちぷらすのスタッフは9割以上が子育て中の母親だ。モチベーションの維持に関しても、トヨタでの経験が活きている。

「工場内の作業は単純なルーチン作業の繰り返しです。その単純作業に対して、つねに工夫を取り入れ改善し、良い改善はとことんほめる。すると仕事に魂が入るんですね。そこで、こまちぷらすでもアイデアボックスを常設し、スタッフが常に改善を提案できるようにして、ミーティング時に話し合っています。どんな仕事も作業にしないで、働く喜びを見いだすのです」

勤務体系にも工夫がある。常勤・非常勤・有償ボランティア・無償ボランティアがあり、それぞれ責任の重さや支払われる給与が異なる。これは森さんが目指すところの、各々のライフステージによって社会との関わり方が選べるような仕組みづくりのひとつ。

その背景には、働くか働かないかの二者択一を迫る“0か1”の働き方ではなく、ライフステージに応じて働き方を変えていくことを望む女性が増えていることが挙げられる。

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