元トヨタ主婦が子育てNPOで目指すもの トヨタ式はこう活かされる

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「NPOは企業のようなやり方では前に進みません。決してプロフェッショナルの集団ではなく、さまざまな経験、キャリアを持つ主婦たちが互いの強みを活かしながら運営しています。企業が利益を追求するように数字を目指すのではなく、社会貢献としての活動、何のためにやるのかということを常に意識していなければなりませんし、スタッフ全員にそれを意識付けることが重要です」

多世代の“つながりの場”

広く浅くではない、狭く深い地域情報が子育て世帯には求められている。

現在はカフェ、貸しスペースなど4つの事業を展開している。「こまちカフェ」を訪れる客層は幅広く、乳幼児連れの母親からシニア層まで、世代を超えた“つながりの場”としても、重要な役割を果たしている。

カフェ内に併設された貸しスペースでは、ベビーマッサージやヨガ、子ども向け英語スクールなどの講座のほか、認知症予防に興味を持つ人や介護者を対象とした交流の場「えんがわカフェ」や、こどもの発達が心配な母親たちが集まり、発達障がいについて学び、育児のコツや情報などを話し合う「でこぼこの会」なども開催されている。このように、“場”として存在価値を広く地域に提供することにより、さまざまな社会問題解決に向けての第一歩になっている。

「“人つなげ”のためのひとつの手段です。今後はこういった場所を全国各地に増やしたい。あくまでも作るのは地元の人たちで、彼らが自分たちで運営できるような仕組みをつくっていきたい。そのために自主財源でのカフェ立ち上げ・事業化といった私たちの経験をシェアする講座「カフェをつくろう」を何度か開催しています。また近い将来、民間のインフラを活用しながら、地域(まち)全体で子育てを応援できるような仕掛けにもチャレンジしたい。特にいちばん孤立しやすい産後の時期に特化したサービスを考えています」

老いも若きも“孤独”が社会問題となっている昨今、民間によるこうした取り組みがますます求められるはず。「"think global,act local”をモットーに、どこの地域でも活用できる仕組みを作っていきたい」と語る森さん。夢の実現に向けて着実に歩み始めている。

富岡 麻美 フリーランスライター/コーディネーター

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二児の母。大手企業数社でのアシスタント、秘書を経て、ソーシャルビジネスに興味を持ち、さまざまなNPOの活動に参画する。出産を機にフリーランスへと転向し、“social・slow life・education・WLB”などをテーマに年間70件以上取材・執筆。現在では企業・個人事業主のブランディングやPRサポートなども手がける。

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