お互いに「承認し合う」職場はなぜ「幸せ」なのか 「声をかけて・質問して・話を聞く」が基本

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2024年3月に国連が発表した世界幸福度ランキングで、日本はG7の中で最下位の51位に沈みました。

幸福度ランキングは、社会の寛容さや選択の自由など、客観的な指標を用いるものもありますが、この結果は「どれだけ幸福だと感じているか?」という主観の順位です。

「そんなに単純に因果をつくるな」とお叱りを受けそうですが、みんながお互いの存在を承認し合うようになれば、この順位は上がるように思います。なぜなら「自分の存在が周りから承認されている」という感覚は、幸福度を高めることに大きく寄与すると思うからです。

他人を承認すると幸せな気持ちに

脳科学者たちは、他人から認められたときに、ドーパミンといった快楽物質が脳内で分泌されることを突き止めています。「快楽物質が出る」イコール「幸福度が高まる」とは一概には言えませんが、相応の相関関係はあるでしょう。

声をかけあうチーム
一人ひとりに頻繁に声をかけるとチームが一つになる(出所:『「承認 (アクノレッジ) 」が人を動かす』)

そして、おそらく、自分の体験をもとに言わせていただければ、誰かを承認すると、承認している私の脳にも快楽物質が分泌されます。いい感じになるのです。

同様に、ペットセラピーというのは、ペットが癒やしてくれるというよりも、ペットを可愛がろうとして、声をかけたり、世話をしようとしたりすることが癒やしにつながるという側面が大きいようです。

ペットを愛でると、オキシトシンという愛情ホルモンが人間側に出ることがわかっています。そうであれば、人を承認するときにも、オキシトシンが出ているのは何の不思議もありません。

そしてドーパミン、セロトニン、エンドルフィン、オキシトシンはいずれも「幸せホルモン」と呼ばれることがあります。

承認すれば、向こうもこちらも心の状態が良くなる。承認し合う社会は、きっと幸福度の高い社会でしょう。しかし、現実はそうなっていません。なぜでしょうか?

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