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サンバイオの脳細胞薬、「承認だが販売不可」の混沌 異例の「承認先行」、株価は高騰後に急落

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審査が長引いてきたサンバイオの脳損傷細胞薬。今回は異例の措置で"承認"を得たものの、出荷・販売は不可という異例の展開となった。

創薬ベンチャーのサンバイオは、慢性期外傷性脳損傷治療の細胞薬として世界初の実用化を目指しているが…(撮影:梅谷秀司)
※本記事は「会社四季報オンライン」でも有料会員向けに配信しています

6月19日の夜、多くの関係者が固唾をのんで待ち構える厚生労働省の専門部会があった。その日夕方6時から始まった薬事審議会の再生医療等製品・生物由来技術部会だ。

創薬ベンチャーのサンバイオが、慢性期外傷性脳損傷治療の細胞薬として世界初の実用化を目指す「アクーゴ」(開発コードSB623)。その製造販売承認の可否を議題に、この部会が初めて審議するからだ。

製薬業界において、専門部会の議題に「承認の可否」が載れば、審議対象となる新薬は一部例外事例を除けばほぼ部会で承認了承となり、その後に厚労省の最終承認となることが半ば定例となっている。

低迷していた株価が急上昇

そうした事情もあって、1週間前にこの部会の開催が明らかになるやいなや、低迷していたサンバイオの株価は一気に跳ね上がった。これでいばらの道を歩んできた「アクーゴ」の承認がついに決定、上市(発売)も遠くないと見る気の早い一部投資家を中心に、株式市場は久しぶりの「サンバ祭り」の様相を呈していた。

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サンバイオの株価は「アクーゴ」の承認をめぐって目まぐるしく動いた
(このチャートは「会社四季報オンライン」の有料会員が使えるチャートで描画しています)

しかし、当日深夜から出てきた報道はこの期待からはかけ離れた内容を含む、複雑で「ナゾ」含みの、部会結論だった。

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