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東工大が「女子枠入試」導入で抱える葛藤と覚悟 改革を進める井村順一理事にインタビュー

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ーーそもそも、女子学生を増やす目的とは。

過去30年ほどにわたって、日本ではイノベーションが生まれにくくなっている。さまざまな要因があるが、1つには「ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)」の欠如があっただろう。D&Iの“一丁目一番地”と考えられるのが、男女比の不均衡の解消だ。

井村順一(いむら・じゅんいち)/東京工業大学理事・副学長(教育担当)。1988年京都大学工学部精密工学科卒、1990年同大学大学院工学研究科修士課程応用システム科学専攻修了。1992年同大学院工学研究科博士課程機械工学専攻中途退学、同年より同大学工学部機械工学科助手。2001年より東京工業大学大学院情報理工学研究科助教授、2004年より同教授。2018年、東京工業大学 副学長(教育運営担当) 兼務(2022年3月まで)。2021年、東京工業大学執行役兼務(2022年3月まで)。2022年より現職(写真:記者撮影)

現状、研究や開発に携わる女性は多くない。男性の視点だけで新しいものを生み出していけるだろうか。

今の若い人たちが働き盛りの40代になるころといえば、今からおよそ20年から25年後の2050年前後。言い換えれば、今理工系の女子学生が少なければ、2050年の時点でも女性の技術者が少ないということになる。

そうならないためには、今から理工系の大学で学ぶ女子学生の数を増やさなければ、間に合わない。そういう危機感から、じわじわ増やすのではなく、大規模な女子枠導入に踏み切った。

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