地方女子は大学受験で独自の「壁」に直面する 東大は女子学生比率向上に実効的な施策を

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『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』著者の川崎莉音氏と江森百花氏
[著者プロフィル]川崎莉音(かわさき・りおん)/#YourChoiceProject共同代表。2001年生まれ、兵庫県出身。小林聖心女子学院高校から東京大学法学部に進学。江森百花(えもり・ももか)/#YourChoiceProject共同代表。2000年生まれ、静岡県出身。静岡県立静岡高校卒業後、東京大学に進学。同大文学部に在籍。(撮影:尾形文繁)
優秀な高校生は性別を問わず全国にいる。一方で、東京大学の2021年度の入学者に占める地方出身女子の比率はわずか9%にすぎない。その原因を突き止めるべく、地方女子の進学支援を行う東大の学生団体、#YourChoiceProject(#YCP)は全国の進学校を対象に調査を行った。大学受験において、地方女子がぶつかる壁とは何か。#YCP共同代表の江森百花氏、川崎莉音氏に聞いた。

選択の幅を狭める保護者の偏ったジェンダー観

なぜ地方女子は東大を目指さないのか (光文社新書 1325)
『なぜ地方女子は東大を目指さないのか (光文社新書 1325)』(川崎莉音、江森百花 著/光文社新書/946円/224ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──調査では、地方女子には偏差値の高い大学に行くメリットを感じない傾向があることが明らかになりました。

江森 「偏差値が67以上であること」などを基準に調査対象校を選び、進学校の高校2年生の男女約4000人から回答を得た。

「偏差値の高い大学に行くことは自分の目指す将来にとって有利と思うか」という設問への回答は、首都圏では男女差はなかった。だが、地方では「有利と思う」女子が男子よりも顕著に少なかった。

地方女子の回答を分析すると、資格取得を重視する、自己評価が低い、浪人を回避するという独自の傾向があることもわかった。進学先を選ぶ際の意識に、性別や地域といった生まれながらの属性が影響し、大きな差が出ている。

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