日本企業に「移民・難民問題」への理解が必須な訳 『移民・難民たちの新世界地図』村山祐介氏に聞く

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『移民・難民たちの新世界地図 ウクライナ発「地殻変動」一〇〇〇日の記録』著者の村山祐介氏
[著者プロフィル]村山祐介(むらやま・ゆうすけ)/ジャーナリスト。1971年生まれ。立教大学法学部卒業。三菱商事を経て、朝日新聞社に入社。ワシントン特派員やドバイ支局長を担当、2020年に退社してフリーに。21年からオランダを拠点に移民・難民の動きを取材。著書に『エクソダス』など
2017年から19年にかけて米国へ向かう移民・難民の実像を取材した著者が、本著で欧州に拠点を移す。戦時下のウクライナやポーランド国境沿いの森、地中海をさまよう密航船と、さまざまな場所で命を懸けて移動する人々に向き合い、その素顔を描く。
移民・難民たちの新世界地図:ウクライナ発「地殻変動」一〇〇〇日の記録
『移民・難民たちの新世界地図:ウクライナ発「地殻変動」一〇〇〇日の記録』(村山祐介 著/新潮社/2420円/320ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──オランダに移り、ご自身も移民になったと。

在留資格次第で人生が左右されることを痛感した。「どうすれば行けるのか」という視点で情報をかき集めた。その際に最も参考になるのは先人の成功談だった。

取材した人たちは、内戦下で兵役を逃れたい若者や、暴力から逃れたい女性らで、身の危険が迫っていた。彼らは、より安全でよい未来が描ける国に移動しようとわらにもすがる思いでSNS上の情報を集め、それを頼りに行動する。その結果が、国境や大陸を越える人の移動につながっていた。

中東やアフリカから欧州を目指す人の間では、海を渡る危険なルートが一般的だった。だが21年に突如、ベラルーシからEUに入るルートができた。「ベラルーシから数日歩けば、EUのポーランドへ渡れる」という成功例がSNSで瞬く間に広がり、世界中から人が呼び寄せられていたのだ。

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