共学校にも実社会にも潜む「男子校の亡霊」とは 男子校を潰しても男女平等にはならないワケ
2024年5月、東大の学内にセンセーショナルなポスターが掲示された。向かい風を受ける女性の写真に、「女子なのに東大?」「女子なんだから浪人しないで」など、性差別にもとづく言葉が落書きのように書かれている。東大の学生や研究者が実際に浴びせられた言葉の数々だという。
東大で幅をきかせる男子校出身者
東大は、2026年度までに、大学院生を含む女子学生の割合を30%以上、女性教員を25%以上にする目標を掲げているが、東大入学者の女性比率はなかなか2割を超えられない。この20年ほど足踏みが続いている。
逆にいえば東大は、約8割が男性で構成されている。東大合格者数ランキング上位には、私立・国立の男子中高一貫校がずらりと並ぶ。その出身者たちが東大の中で幅をきかせ、性差別的、セクハラ的な発言をしているという証言が学生からも教員からも報告されている。
「諸悪の根源だと思うので。やっぱり男子校はないほうがいいかなって気はします。よっぽどそこでジェンダー教育をちゃんとやらない限り」。私が識者から聞いたコメントだ。
「諸悪の根源」であるならば、男子校をなくせば、あるいは男子校でジェンダー教育がしっかりと行われれば、諸悪が消えるということだ。
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