オペラって何?400年の歴史を5分で解説!前編 「オペラ大図鑑」でたどるオペラの壮大な歴史
オペラとは?
4世紀前、イタリアでは音楽と演劇と舞踊が一体化してオペラと呼ばれる新たな芸術形式が生み出された。すぐにその人気は高まり、1700年になるころにはヨーロッパ中で庶民も王侯貴族もオペラを楽しむようになった。時代が進むにつれて音楽そのものは変化したものの、オペラの本質は変わっていない。オーケストラの伴奏に加えて、美術や衣装、照明がドラマティックに舞台を演出し、歌い手たちが物語をすすめていく。
音楽が人の心を動かす力を持つことはよく知られているが、オペラの特別な魅力は人間の「声」という、この世で最も感動的な楽器にある。たとえ歌詞が理解できなくても声は感情を伝え、才能ある歌手の歌声なら、すっかりおなじみとなった楽曲や筋書きであっても、生き生きとしたものに変えることができる。人気のオペラを何度でも観る楽しさがあるということは、オペラという芸術がモーツァルト、ヴェルディ、ヴァーグナーの才能と150ほどの定番作品の上に成り立っていることを証明している。
それでも、なぜ比較的少数のオペラ作品だけが生き残り、ほかの数千にも上る作品が生き残らなかったのかは謎だ。創作された当時は大入り満員だったが、今ではまったく上演されない作品もあれば、初演は不評だったが、今では大人気の定番となった作品もある。さらには流行もある。かつてはオペラの頂点と見なされたフランスの「グランド・オペラ」は姿を消し、ルネサンスやバロックのオペラが熱狂的に再発見されている。今日、現代オペラはマイナーな存在だが、継続して作品が作られており、定番となったものもある。