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ボブ・ディランのいた「60年代NY」の空気感を再現 映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』

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映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のワンシーン
映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』監督:ジェームズ・マンゴールド /撮影監督:フェドン・パパマイケル/出演:ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/2025年2月28日から全国公開(©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.)

弾き語りロックのアイコンへと成長するボブ・ディランの5年間を描く。まるでディランそのもののようにレイバンのサングラスにカーリーヘアでレザージャケットを着こなすのは、話題作に出ずっぱりのティモシー・シャラメだ。劇中で使われた楽曲すべてを生演奏し、歌い上げる姿に魅了される。だがこの作品の価値は、ディランの目線で切り取った1960年代初頭の米ニューヨークの空気感を再現した力にもある。

ディランの物語から見た社会の変化

当時の米国は反戦運動や公民権運動が続いた変わり目の時代にあった。渦中にいたディランが、世の中にとって自分の役割とは何なのか、その答えを探るようなストーリーが展開されている。「風に吹かれて」や「時代は変る」「ライク・ア・ローリング・ストーン」といった代表曲が生まれた必然性を感じ取ることができるだろう。タイトルの“名もなき者”は「ライク・ア・ローリング・ストーン」の歌詞の一節から引用された。

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