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天涯孤独の愛子さんが震災後8年で残したもの 映画『風に立つ愛子さん』

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映画『風に立つ愛子さん』のワンシーン
映画『風に立つ愛子さん』監督:藤川佳三/実景撮影:田中 創/整音:黄 永昌/編集:今井俊裕/2025年2月22日(土)からポレポレ東中野ほか順次全国公開(©2024 IN&OUT)

東日本大震災の被災者の8年間を追ったドキュメンタリー。藤川佳三監督は、震災発生直後の4月から被災地に入り、石巻市最大規模の避難所である湊小学校に滞在し、『石巻市立湊小学校避難所』を撮影、翌年に公開した。本作は前作に登場する天涯孤独の愛子さんが、仮設住宅、復興住宅へと移り住む姿を追う。被災者のドキュメンタリーという枠には収まらない無名の人の尊さを描いた作品だ。

公共心体現した一人の女性の生き様

愛子さんこと村上愛子さんは被災時、69歳。津波に流され、避難所に運び込まれたときはエコノミー症候群に悩まされ、1カ月間伏せっていたという。しかし、復調した後は、「愛ちゃん」と呼ばれ、明るく周りの人たちを照らすような存在になっていった。

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