オペラって何?400年の歴史を5分で解説!後編 「オペラ大図鑑」でたどるオペラの壮大な歴史
国民オペラの誕生
オペラのその後の展開を知るには、時代よりも地域別にたどるのが最もわかりやすい。たとえば、19世紀はイタリア、ドイツ、チェコの各地域がそれぞれ国民国家への道を歩み、帝政ロシアがヨーロッパに接近した時代だった。同時に、旅行の拡大もまた相互交流を促進した。これほど大きく変化していく時代にあっては、オペラへの影響も必然だった。
グルックとモーツァルトの影響を受けつつ、旋律へのこだわりを持つイタリア音楽は、19世紀に5人の大作曲家を生み出した。ジョアキーノ・ロッシーニは17歳から37歳のあいだに39のオペラを創作した後、完全にオペラの作曲をやめた。《セビーリャの理髪師》や《チェネレントラ》などのオペラで、ロッシーニは「ベルカント」(流麗かつ技巧的な歌い方)を洗練させたが、これは後継者である作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニとガエターノ・ドニゼッティに引き継がれた。
















