高知県で業態を超えた統合観測が浮上、金融再編の新たな焦点に/資金交付制度の拡充は「新たな再編劇」の号砲か
地域金融機関の再編を加速させる、新たな起爆剤が浮上した。地方銀行や信用金庫、信用組合といった地域金融機関が、「業態」を超えて再編する場合に、金融庁が交付する補助金の上限額を大幅に引き上げる制度変更だ。
「同じエリア内にある信組と統合するつもりはないか」。金融当局から、すでにこうしたヒアリングを受けたと話す信金もある。
バブル崩壊後の不良債権処理の過程では、銀行と信金・信組、または信金と信組が合併する事例が見られたが、2010年以降に異なる業態の再編は起きていない。今年の夏頃から、後述する地銀と信金の統合観測が浮上しているが、今般の補助金拡充で一気に現実味を帯び始めた。
来年の通常国会に法案提出
金融庁は9月に議論を開始した金融審議会「地域金融力の強化に関するワーキング・グループ」で、地域金融機関の持続可能性や経営基盤の強化につながる施策について検討を進めている。ここでの議論を踏まえて25年末までに政策パッケージとなる「地域金融力強化プラン」を策定し、来年の通常国会に関連法案を提出する構えだ。
強化プランの柱となるのが、金融機能強化法に基づく「公的資金(資本参加)制度」と「資金交付制度」の延長・拡充だ。まず同法の公的資金制度は26年3月末に申請期限を迎えるため、期限延長について議論している。事後的に整備されてきた震災特例などの措置を常設化する検討も進んでいる。
もう1つの柱である資金交付制度の延長・拡充が、冒頭に記した地域金融機関の再編を加速させる新たな起爆剤だ。現行制度では、システム整備など統合・合併に係る費用の3分の1(上限30億円)を補助金として交付しており、こちらも申請期限が26年3月末となっている。
金融庁は、資金交付制度の延長に加えて、上限額を50億円程度に引き上げ、さらに信金や信組の再編に当たっては補助率を3分の1以上に高める考えだ。それだけではない。地銀、信金、信組が業態を超えて再編する場合には、補助率や上限額を大幅に引き上げる方針だ。





        
        
        
      
        
      
        
        
        
        
      
        
        
        
        













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