「私が大学の機械工学科に入ったのは、『鉄腕アトム』世代で、いつかアトムをつくりたいと思っていたからです。当時ロボットをまるごと開発できる会社はなく、せいぜいパーツの研究でした。ですが、私は一部だけでなくて、アトムをまるごとつくりたいと思っていたのです」
周囲を見渡してもそんな環境や会社が存在しない時代、米田さんはJT社員という道を選び、長くキャリアを積む中で、自分の志をどのように実現してきたのだろうか。
「アトムを作りたい」の、本質は何か
「今思えば、私はJTでずっとアトムをつくることに取り組んできたのかもしれません。決していつも異動が希望通りになったわけではありませんが、たとえば採用でパーツの調達をし、工場で手足をつくり、経営企画や事業企画で頭脳をつくり、今いるR&Dで心臓をつくり。自分はJTというアトムをつくってきたように思います」
会社でやらなければならないことと、自分のやりたいことを重ね合わせることができたとき、会社と自分の双方に納得がいくキャリアを描くことができるのかもしれない。
「夢は必要です。ただし、たとえばJTに入り、新しいたばこをつくって『これがアトムです』と言うのは、会社に迎合しすぎ。逆に、『JTでロボット事業を起こす』のは、無茶というものです。そうしたとき、『アトムをつくりたいと思う本質は何か』と考えると、それを実現できる方法が見つかるはずです。会社と個人が歩み寄ることが大切だと思うのです」
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