巨艦「ゼクシィ」を率いる"変集長"の素顔 「変人」がわんさか増える社内、どう作る?

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 「起業」という言葉は、起業家のためだけにあるものではない。「業(なりわい=仕事)を起こすこと」は、組織の中でもできる。いやそれどころか、新しいビジネスを生み出さなければならない組織人にこそ必要とされるアクションだろう。
 さあ立ち上がれ組織人。今、あなたの立場で、業は起こせる。それも、上手にやれば大規模に。本連載では、会社をはじめとする「大組織」で、“変わり者”だと思われても“変えること”に挑み、新たな仕事をつくり出す「組織内変人」を紹介する。
この美変人の正体は??(撮影:今井康一)

自分にはやりたいことがある。しかし、口に出したところで、どうせ上司や会社に一蹴されて終わり。この会社にいる限り、思いを胸に秘めたまま、ただ時だけがすぎていくのだろう……。

やってみる前に諦め、「やれそうな」会社に行くのか、今いる環境で挑戦と軌道修正を繰り返し、実現を目指すのか。正直どちらだってかまわないが、ただ一つ言っておこう。いずれにしろ、「打たないシュートはゴールに入らない」のだ。

そこで今日は、前例がないところで自ら率先して矢面に立ち、チーム員がチャレンジしやすい環境をつくり出す“美変人”を紹介しよう。

ただの「シンデレラ編集長」と思うなかれ

2014年12月、ブライダルマガジン界の巨艦『ゼクシィ』が動き出した。はじめての婚活を支援する総合婚活サービス『ゼクシィ縁結び』、さらに婚活の敷居を下げる恋活サービス『ゼクシィ恋結び』をスタート。結婚式を応援するブランドだったゼクシィが、結婚の前後を含めた生活全体を応援するブランドになるべく、大きく舵を切ったのだ。

そんなゼクシィ艦隊の指揮を執るのは、「愛とユーモア」を連呼し、80名近い乗組員を団結させる女性だ。船長の名は、伊藤綾。これまでにも数々のメディアで「ほぼ午後5時に会社を出る編集長」として、仕事と家庭を両立する憧れの女性のように紹介されてきた人物だ。

しかし、あえて言おう。午後12時の鐘ならぬ、午後5時の鐘が鳴る前に会社を出るからといって、伊藤さんは華麗なる「シンデレラ編集長」ではない。どちらかと言えば、泥臭さが漂う「戦う編集長」と呼ぶほうがふさわしい。

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