巨艦「ゼクシィ」を率いる"変集長"の素顔 「変人」がわんさか増える社内、どう作る?

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「残業をあまりしない編集長として紹介していただくこともありますし、確かに実際、週3〜4回は子どものお迎えや夕食作りをしたり、在宅勤務制度を活用したりしています。でも、もし子どもが自分の手を離れても、できる限り残業しないで帰ると思います。

以前は、ずっと会社にいた時期もありましたが、今は視点を広げるためにも外に出て人に会うことを大事にしています。ですから、ほぼ5時に帰ると先に決めてしまって、逆にそれを実現するための方法を考える。無理だと思わず『自分矯正ギプス』をつけるのです」

できるかできないかではない。やるというギプスをはめて、自分を動かす。そうして伊藤さんは既存のルールを変えていく。「余計なことを考えず、去年と同じことをより効率的にやっているほうがいいという時代もあったかもしれませんが、今はそれでは足りない。でも逆に、変人にとってそれは追い風です。面白い時代になっていると思います」。

時代の追い風を受けて、伊藤さんは今日もゼクシィ艦隊を前進させる。もう一度言おう。伊藤さんは、シンデレラではない。そう、変人のタマゴたちを率いるジャンヌ・ダルクであるに違いない。

この原稿を書いている間にも、ゼクシィ編集部から「フォローミー!(恐れないで。続いて変人になって!)。愛とユーモアよ!」というジャンヌ・ダルクの声が聞こえてきそうである。

さて、次回の変人さんは?

(撮影:尾形文繁)

次回紹介する大組織内変人さんは、黄色い鳥の被り物がトレードマークの男。「特命宣伝部長」として、消臭芳香剤、防虫剤など自社製品のテレビCMを多数手掛けてきた人物だ。

「ただ破天荒なCMを好き勝手作っているだけじゃないか」と侮るなかれ。その裏側には、顧客に「愛される」ための緻密な計算と、大組織で変人として生きていくための超絶サバイバル術があるのだ。次回、余すところなく紹介したい。

合い言葉は、変人ウォッチ!

※ 次回掲載は3月13日(金)です。お楽しみに!

川下 和彦 クリエイティブディレクター/習慣化エバンジェリスト

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かわした かずひこ / Kazuhiko Kawasita

2000年、慶應義塾大学大学院修士課程終了後、総合広告会社に入社。マーケティング、PR、広告制作など、多岐にわたるクリエイティブ業務を経験。2017年春より、新しい事業を創造し、成長させることを標榜するスタートアップ・スタジオに兼務出向。広告クリエイティブに留まらず、イノベーション創出に取り組んでいる。著書に『コネ持ち父さん コネなし父さん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ざんねんな努力』(アスコム)などがある。(撮影:原貴彦)

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