会社や上司に与えられた仕事をこなすだけの毎日。コレといってやりたいことがあるわけではないけれど、このまま言われた通りに働き続けて、いつか幸せになる日が訪れるのだろうか……。
そんなふうに思っているなら、この言葉を贈ろう。人生は白いキャンバスだ。誰かに描いてもらったキャリアの上をなぞっている限り、他人の人生を生きているようなものである。だが、その気になれば、自分次第でどんなキャリアだって描くことができる。
そこで今日は、人生というキャンバスに自らの手で次々に「点」を打ち、その間を線でつなぎながら独自のキャリアを描いている変人を紹介しよう。
西友の“仰天戦略”を推進する男
2015年3月、昨年の消費増税に加え、円安の急激な進行と原材料の高騰で食品を中心とした値上げが相次ぐ中、“Every day Low Price(毎日低価格)”を掲げる西友が動き出した。
生活に欠かせない計200品目について、すでに支持されている低価格は据え置きのまま、値下げニーズの高い商品をさらに値下げし、向こう6カ月間いっさい値上げをせずに低価格で固定する「プライスロック」というプログラムを全国で開始したのだ。
その一大プロジェクトを率いるのが、富永朋信。マーケティングコミュニケーションから顧客調査、PB開発まで、幅広い分野を横断するマーケティングチームを統括する人物だ。富永さんは一見、人気映画キャラクター「ベイマックス」のようにふんわりやさしい面持ちだが、頭の中は「ベイマックス」以上! スーパーコンピュータさながらの速度で、常に頭脳を回転させているのである。
富永さんのキャリアを紐解いてみると、本連載始まって以来の「転職キング」であることに驚く。辞めずに組織を使い倒している変人を紹介してきたこのシリーズにはそぐわないか……と思いきや、しかし、取材を進めていくにつれ、意外な事実が浮かび上がってくる。
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