お金持ちとは本当に"うらやましい人生"なのか 「FIRE」の流行から数年たって改めて考える

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テラスで乾杯する女性
お金持ちになれば、幸せになれるのだろうか? 自分は何にお金を使っているときに一番心が満たされるのか、改めて考えたい(写真:8x10/PIXTA)

ネット上には「お金持ちになるには」「お金持ちの思考や習慣」というタイトルの記事や書籍が溢れている。

書店に行っても、同様のタイトルの本がこれでもかと並ぶ。かくいう筆者も、そうしたテーマで執筆することも少なくない。

しかし、最近思うのだ。お金持ちになると、それほど幸せなのだろうか? 不労所得を手にし、経済的自由を得れば「上がり」なのだろうか? 資本主義は永遠に栄えていくのだろうか。そもそも、どうして我々はお金持ちになりたいのか。その真理を解きほぐしていくと、もっと違う幸せへの扉が見えてくるかもしれない。

「FIRE」生活は幸せなのか

私たちは、持っているお金が減っていくことに不安と恐怖を感じる。これはマーケティング手法でよく耳にする「保有効果」の罠かもしれない。人間は一度手にしたものや権利に対して、本来以上の価値を感じ、手放すことが惜しくなる。もし手放せば、その損失が与える痛みは大きく、かつ不安になってしまう。

とはいえ、お金は使うためにあり、何もしなければ減るのは仕方ない。それを解決する手段として、数年前から「FIRE」が流行った。「Financial Independence, Retire Early (経済的な自立と早期リタイア)」を縮めた言い方で、一定の元本を貯め、それを資産運用して残高をキープし続け、働かなくても暮らせる生活を目指すというもの。

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