ネット上には「お金持ちになるには」「お金持ちの思考や習慣」というタイトルの記事や書籍が溢れている。
書店に行っても、同様のタイトルの本がこれでもかと並ぶ。かくいう筆者も、そうしたテーマで執筆することも少なくない。
しかし、最近思うのだ。お金持ちになると、それほど幸せなのだろうか? 不労所得を手にし、経済的自由を得れば「上がり」なのだろうか? 資本主義は永遠に栄えていくのだろうか。そもそも、どうして我々はお金持ちになりたいのか。その真理を解きほぐしていくと、もっと違う幸せへの扉が見えてくるかもしれない。
「FIRE」生活は幸せなのか
私たちは、持っているお金が減っていくことに不安と恐怖を感じる。これはマーケティング手法でよく耳にする「保有効果」の罠かもしれない。人間は一度手にしたものや権利に対して、本来以上の価値を感じ、手放すことが惜しくなる。もし手放せば、その損失が与える痛みは大きく、かつ不安になってしまう。
とはいえ、お金は使うためにあり、何もしなければ減るのは仕方ない。それを解決する手段として、数年前から「FIRE」が流行った。「Financial Independence, Retire Early (経済的な自立と早期リタイア)」を縮めた言い方で、一定の元本を貯め、それを資産運用して残高をキープし続け、働かなくても暮らせる生活を目指すというもの。
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