任天堂の岩田社長が「WiiのCM」でNOを告げた相手 「これはアメリカで成功します」私は断言した

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「わかった、レジー。君を信じるよ。前に進めてくれ」

結果的に、CMは私の支社が実践した他のマーケティング戦略と併せて成功した。私たちは世界の任天堂支社の中で、最もWiiを成功させることになる。

自分の信念を貫くためには?

自分の信念を貫くことと、頑固な態度を通すことは紙一重の違いだ。自分は本当に一連の行動を正しいと信じているのか、それとも意固地になっているのかを見つめ直さなければならない。困難な判断や複雑な決断を下す際は、自分のモチベーションを知ることが特に難しくなる。

まずは自分に正直になること。議論において自分の正しさを証明したいとか、勝ちたいという欲求と、自分の確固たる信念とを分けて考える。本当にそれが正解だと思ってやろうとしているのか。他の誰かが同じことを提案しても、ちゃんとこれを支持するだろうかと、自問してみるといい。

今の問いにどう答えていいのかわからなければ、じっくり心を開いて相手が言う別の観点に耳を傾けてみる。気になった点ははっきりと質問する。相手の言葉を繰り返して、自分がちゃんと話を聞いているのだとわかってもらう。自分が問題点を理解していること、相手の考え方にも一理あることを示してあげる。

自分の信念を貫こうと決めたのなら、できる限り説得力のある材料を集めて、自分の観点を述べる。ポイントを理解してもらうために、データや他の産業から得たサンプル、自分の経験を駆使する。話を止めて相手に質問の余地を与える。論破してやろうという態度を取ってはいけない。

共通の立脚点を探す。折り合えるところが見出せればそれを伝えて、残りの際立った問題点に集中する。時にそれは取るに足らない問題であることがわかり、合意の上で次の段階に進んでいけることもある。

そして時には断固たる姿勢を取ることもお忘れなく。

前編記事はこちらから
【前編】元米任天堂社長と岩田聡氏との知られざる友情
レジー・フィサメィ アメリカ任天堂元社長兼COO

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Reggie Fils-Aimé

任天堂の最大子会社、アメリカ任天堂(Nintendo of America:NOA)の元社長兼COO(最高執行責任者)。ハイチ移民の子として生まれ、幼少期はブロンクスで育つ。奨学金でコーネル大学に進学し、P&Gのマーケターとしてキャリアをスタートさせる。その後、ペプシコ、VH1などを渡り歩き、2003年、アメリカ任天堂に入社。2006年、社長兼COOに就任。2016年、任天堂本社の執行役員に任命される。アメリカ、カナダ、ラテンアメリカにおける任天堂の活動すべてに関わった。ニンテンドーDS、Wii、ニンテンドー3DS、Wii U、Nintendo Switchを世界の市場に送り出した。2019年に任天堂を退社し、現在は、次世代のビジネスリーダーの育成に精力を注いでいる。

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