楽しいから笑うのではなく、「笑っているうちに楽しくなる」。
走りたいから走るのではなく、「走っているうちに、もっと走りたくなる」。
これが人間の脳の仕組みです。
ドーパミンをコントロールして、行動する
この仕組みのカギを握るのは、脳のなかで働いている「ドーパミン」というホルモンです。
ドーパミンは、脳内で生成される神経伝達物質の一種で、報酬や快楽、そしてやる気に関係する物質として広く知られています。
ここで注目するべきは、「ドーパミンは何らかの行動に伴い、分泌される」という事実です。
つまり、じっとしているうちはドーパミンが分泌されにくく、したがってやる気も生まれません。
やる気が出るのは、行動した後のこと。
私たちの頭のなかを変えようと思ったら、身体を動かすのが先決、ともいえます。
少しわかりにくい話かもしれません。
それに、「やる気がないから動けない」と困っている人が、「やる気を出すために行動しろ」と聞いたら「それができないから困っているんだ」と、反論したくもなると思います。
でも、安心してください。
行動といっても「ほんのちょっと」でかまいません。むしろ、「ほんのちょっと」だからこそ、いいのです。
身近なシーンを舞台に、わかりやすい例を挙げてみます。
「たった1分でも」と決めて動き始めるとドーパミンが分泌され、気分が乗ってきた結果、5分、10分と続けられることも少なくありません。
体操するのも手ですが、椅子に座ったまま、呼吸に意識を向けるのも効果的です。
気持ちを落ち着けたいなら「スー、ハー」と深呼吸。心に勢いをつけたいときは逆に「ハッハッハッハ!」とリズミカルに。
三三七拍子のリズムでもOKです。