脳科学から見た、やる気が上がる意外な「口ぐせ」 「グチる」も脳にとって決して悪いわけではない

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「やる気が出ない」そんな気持ちを上向きに変える方法とは(写真:hanack/PIXTA)
生きている限り、誰にでもやる気が出ない時期はあるものです。それが長く続くこともあれば、1~2週間で回復することもあります。やる気が出ない今の状況を、どうすれば「やる気が出る状況」に変えられるのでしょうか? 
新刊『自分のやる気が上がるのは、どっち?』を上梓した脳神経内科医でメンタルクリニック経営する田中伸明氏が、脳科学の視点とメンタルケアの実践から、「やる気が出ない」という悩みを根本から改善するために、2つの選択肢を提示しながら、どちらのやり方がより効果的かを3回にわたり解説します。今回が2回目です。

口ぐせとやる気の関係とは?

今回は、やる気が上がる「口ぐせ」について、脳の視点から考えてみましょう。

皆さんは「きっとできる!」という口ぐせと、「ま、いいか」という口ぐせ。どちらのほうがやる気が上がると思いますか? 「きっとできる」のような自分へのポジティブな声かけは、基本的にやる気を高めます。ただし、逆効果になるケースもあります。

それは「きっとできる!」と口にして行動した結果、手痛い失敗をしたことが過去にある場合です。すると「きっとできる!」が、「あのときはうまくできなかった」という記憶を呼び起こすスイッチになってしまい、やる気が下がってしまうのです。

思い当たる過去がある人は、失敗の原因を分析して「次こそはできる」と思える状況をつくってみてください。

いい結果を期待できる状況で、今度こそ「きっとできる!」を使うのです。期待通りの結果が出れば、その後は「きっとできる!」はポジティブな行動を後押しするキーワードになるはずです。

もう1つの選択肢である「ま、いいか」は、気持ちを切り替えるときのスイッチとなる言葉です。うまくいかないことが起きたときに、それをネガティブに受け止めてしまう前に、「ま、いいか」とつぶやくのです。

自分ではどうにもならないことについて、くよくよ悩んでいても精神衛生上よくありません。だったら「ま、いいか」といったん事実を受け入れてみるのです。

このとき、できれば声に出して言ってみてください。すると、モヤモヤした気持ちに対してひと区切りがつくはずです。

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