いい意味での「朝令暮改型リーダー」は何が違う? 「一貫性がない」と「柔軟性がある」に分かれる訳
たとえば機械ものであれば「このつまみをもっと回しやすくして欲しい」とか、ITシステムであれば「この画面の配置を変更して欲しい」といった類のものです。
もう一つの「What型の要望」のパターンは、競合がやっていて自社のものにない機能が不足しているという要望です。
これもあくまでも表面的なものが多く、根本的な解決になっていない場合がほとんどであるのと、所詮その機能を追加したところでやっと「敵に追いつく」(しかも周回遅れで)というだけのことですから、あまり本質的なものでないことは明らかでしょう。
ではこれに対してWhy型思考はどう考えるのか?
「流行は乗っかるもの」か「流行は作り出すもの」
あくまでも重要なのはお客様の「ココロの声」です。それは往々にして先述の顕在ニーズとは正反対のものであったりします。よくカリスマ企画者や開発者が言う「お客の声を聞くな」という表現がまさにこれです。これは「口に出して言っていることは信じるな」ということであり、「口に出していない本当のニーズを見よ」という意味であって、顧客を無視しろという意味とは正反対です。
単に技術主導で顧客を無視した商品と、Why型思考であえて「顧客の声を聞かない」商品との違いがおわかりいただけたでしょうか。
どこの会社でもよくあることですが、現場に出ている営業マンというのはこうしたお客様の生の声をよくも悪くもそのまま真に受けて「こういう商品があれば絶対売れるってわかっているのに何でうちの会社はそういうものを作らないんだろう」という言い方をしますが、これには2つの落とし穴があります。
1つ目は先述のようにこれはあくまでも表面的なWhat型の要望であること、そして2つ目は、What型の要望であるがゆえの宿命として「その要望が陳腐化する」ということです。その声にしたがって商品を開発していたら、できあがる頃にはすっかりその要望はほこりを被ってしまい、その時点での顧客ニーズとはかけ離れたものになっていることでしょう。
「今売れているもの」から発想するのがWhat型の企画、「今ないが売れそうなものはないか」と発想するのがWhy型の企画です。「流行は乗っかるもの」と考えるのがWhat型、「流行は作り出すもの」がWhy型と言ってもよいでしょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら