いい意味での「朝令暮改型リーダー」は何が違う? 「一貫性がない」と「柔軟性がある」に分かれる訳
まず基本的なスタンスの違いとして、What型というのは「今あるもの(What)」から発想するのに対して、Why型というのは潜在ニーズを満たせる「今ないもの」が何かというところから発想します。では「今あるもの」というのは何か?
それはたとえば「今ある自社の商品」であり、「今ある競合他社の商品」です。「今すでに売れている競合他社の商品を模倣して自社のラインアップに加える」とか、今市場に出ている商品の現ユーザーの声をそのまま聞いて改善するといったアプローチがWhat型商品開発のアプローチです。
これに対してWhy型の商品開発というのは、今売れているものや競合他社のライバル商品をそのまま真似するのではなく、「なぜ」それが顧客に受け入れられているのかという深層的なニーズを探り出そうとします。そこを仮説として、たとえば「安くてもそれなりの品質のもの」であるとか、「さりげなく個性をアピールできるもの」といった売れているものに共通するニーズ(これがWhy)を抽出してそれを今出ているものとは違った形で別のWhatとして世に出していくというアプローチになります。
Why型のアプローチは表面的なものではなくてあくまでも深層的なニーズに対して忠実に動くということです。
What型とWhy型のアプローチの違い
ここまで見てきておわかりのように、What型のアプローチは現状商品の改良によって旧製品の延長線上で新しい製品を作っていくという「インクリメンタル(漸進的)な」イノベーションスタイルですが、Why型のアプローチというのは、全く新しい革新的かつ抜本的なイノベーションを求めるスタイルということになります。
これらの違いを、先ほどの「お客様の声」と紐づけて考えてみましょう。
What型で言うところの「お客様の声を聞け」というのは、文字通り顧客が声に出して言っていることを「そのまま」反映した商品を作るということです。ところがこのお客様の声というのが曲者です。
通常、ユーザーというものはその商品の専門家ではありませんから、その商品が持っている特別な技術とか、背景にある商品コンセプトを意識して意見を言うわけではなく、表面的な使い勝手などを基にした改善の類の要望(クレームであることも多い)を言ってきます。
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