ゴールデンカムイ「アシㇼパの村」はどこにあるか 北海道の小樽近辺の地形から紐解いていく

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ゴールデンカムイ
(野田サトル/集英社)
累計2700万部(2024年2月現在)を突破し、2024年1月に実写版映画も公開された「ゴールデンカムイ」。同作でアイヌ文化に興味を抱いた方も多いはずです。そんな大人気作品のアイヌ語監修者である中川 裕さんが上梓した『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』では、物語全体を振り返りつつ、アイヌ文化について徹底解説しています。本書を一部抜粋・再構成し、お届けします。

本書のコラム⑤では、小樽市総合博物館の石川館長が、当時の砂金の採掘地からアシㇼパの村がどのあたりにあったのかを推測しています。

現地に関する相当深い知識がないとこのような考察はできないので、なるほどなるほどと感心して読んでしまいましたが、私の方はそれとは別の観点から、アシㇼパやフチたちが暮らしていた村について考えてみたいと思います。

村は深い山の中に位置している?

もとより、これは原作者である野田先生の意図を完全に無視していますので、何も真理に迫るものではありませんが、作中ではっきり言及されていないことをああでもないこうでもないと考察してみることは、ファンの特権であり醍醐味ですし、またそこに描かれているいろいろな事物の理解を深めるきっかけにもなりますので、あえて試みてみたいと思います。

5巻42話で、鶴見中尉の部隊を脱走してフチとアシㇼパの家で足の治療をしている谷垣のもとに、尾形上等兵と二階堂一等卒が姿を現します。ここから数話を使ってアシㇼパの村とその近くの山で尾形組と谷垣の攻防戦が繰り広げられますが、ここでの描写を見る限り村はけっこう深い山の中に位置しているように見えます。

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