足立と葛飾の複雑な「区境」で味わう静かな"興奮" 「境界協会」主宰・小林さんの"推し境界"を巡る
目には見えないものの、地図上では区と区など自治体の間に明確な「境界線」が引かれている。
そんなある意味バーチャルな存在である境界線の由来や歴史を徹底的に調べ尽くし、「ブラタモリ」「タモリ倶楽部」などのテレビ番組で脚光を浴びるようになったのが境界協会を主宰する小林政能さん(57)だ。
境界の魅力を知るため、小林さんにおすすめの「境界の現場」を案内してもらった。
東京都「足立区」の小菅駅からスタート
11月中旬のある晴れた昼下がり。今や「東武スカイツリーライン」という何やらしゃれた愛称がある東武伊勢崎線の小菅駅で小林さんと待ち合わせた。
小林さんはちょうど10年前の2014年に境界協会をつくり、東京都内を中心に面白い「境界」を案内するツアーを多数開催している。地形・地図マニアの中では神様のような存在といっていい。
その小林さんが選んだのがこの小菅駅周辺、つまり東京都葛飾区と足立区の境界線付近である。小菅と聞いて思い浮かべるのは、なんといっても東京拘置所。首都高を走行中に上から見ると「X」型の威容を誇る、あの巨大な建築物だ。
そんなどこか身構えてしまうような土地に、面白い境界があるのだろうか。わくわくしながら集合場所に向かった。
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