足立と葛飾の複雑な「区境」で味わう静かな"興奮" 「境界協会」主宰・小林さんの"推し境界"を巡る

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荒川河川敷からいったん小菅駅に戻り、その後は徒歩でなく自転車で両区の境界をたどった。東京拘置所を囲むようにして流れる古隅田川から綾瀬川沿いを経由し、JR綾瀬駅方面に向かうと、駅の手前に蛇行した道と道沿いに連なる駐輪場が見えてきた。

区境の真上に位置する駐輪場(撮影:今井康一)

よく見ると、道に「北野橋」という表示板が埋め込まれているが、橋らしきものは見当たらない。「あっ、まさか」。僕自身が言葉を発しようとしたそのとき、小林さんが言った。「もうお気づきかもしれませんが、かつて駐輪場のところに川が流れていて、ここに橋があったんです」。

かつて橋の会った場所に埋め込まれた表示板(撮影:今井康一)

同じ場所に「葛飾区」「足立区」の表示が混在

この駐輪場は綾瀬駅まで続き、「葛飾区」が立てた看板と「足立区」がつくった上水道のマンホールが隣り合い、両区のガードパイプが並ぶ場所もあった。つまり、この両区の表示が並ぶ地点がまさに境界線を示していることになる。

同じ場所に位置するものの、看板は葛飾区、側溝の蓋は足立区による(撮影:今井康一)
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